東京地裁裁判官の、判決理由(因果関係



 入管法違反幇助事件の東京地裁判決において、幇助罪の因果関係についての見解は、
各中国人4人(正犯)者は、「留学」の資格で在留を許可されていた者で、卒業後はその資格では在留が許可されないものであるから、もし、これに代わる何らかの在留資格が得られなければ日本に引き続き滞在することは許されなかったものである。

 すなわち、在留資格を変更して新たに在留資格を得ることにより、初めて引き続き在留することが可能になったもので、在留できなければ、本邦で資格外活動を行うことも不可能であたことは自明である。そして私は内容嘘偽の雇用契約書等を交付することによって、各中国人4人(正犯)者が在留資格の変更許可を得ることを容易にしたのであるから、私の行為と各中国人4人(正犯)者の資格外活動との間に因果関係があることは明白である。
(以上判決文  第2  因果関係について)  

 判決でも、起訴状と同じように、在留資格取消(嘘偽の書類提出)の幇助をのべています。
 嘘偽の書類堤出の幇助をして在留資格を取得できた、たから日本に在住できて、不法就労できたとしています。だから不法就労の幇助なんだと言いたいのです。
 これは国会で創出した幇助罪の適用範囲を超えています。

 しかし、幸いな事に、幇助罪の議論をすることもなく、嘘偽の書類堤出については、先に申し上げたとおり、在留資格取消(嘘偽の書類堤出)が優先して適用されますので、適用法違反であり、この裁判官は、何の法律違反もしていないのに逮捕監禁し、毎月の保釈請求も棄却して裁判を続けたので特別公務員職権乱用罪で告訴しておりますので、その裁定を待つことにしますが、

 この事件で問題なのは、起訴状、判決書でも、入管法違反(資格外活動による不法就労)の幇助罪と言っておきながら、在留資格取得の幇助を、資格外活動による不法就労の幇助としていることです。

こうした論法を放っておくと

 例えば、外国人が殺人をすると、殺人事件の殺人幇助罪にもできます。働く資格のない外国人に住居を貸した人も殺人幇助です。

 不法滞在者などに医療サービスを提供した人も殺人幇助です。税を滞納した外国人に行政サービスを提供した行政だって殺人幇助ですよ。

 要は、在留に問題がありそうな外国人に、日本に在留できるように関与した人は、関与した外国人が殺人をすれば殺人の幇助罪ということです。

 これは、国会として幇助罪の適用について放っておけません。国民生活に大きく関係しており、安心して生活ができません。

 裁判官の勝手な拡大解釈です。しかし、関係者は、この事件に関わった全てのものです。例外なくと言っていいほど、誤った解釈が蔓延しています。これでは、人権侵害が日常的に行なわれていると言っても過言ではありません。

 恐ろしいことに、在留資格取消(虚偽の書類堤出)以外だったら、適用法違反が主張できませんよ!

 アパートの一室を貸したから日本に在留できた、在留できたから殺人できた。よって因果関係は明白である。なんて判決されたら、恐ろしくて外国人に貸せませんよ!

 こういう具体例を出されると、国民は、よくわかるのです。

 でっち上げるんですから、例なんて沢山できますよ!男が買春してみたくなると思う女性に化粧品を売って、その女性が売春(勧誘行為)すると、売春の幇助罪ですよね!(この場合、売春しそうな事実関係をでっち上げるんです)

 正規の在留資格の者を雇用しても、雇用したから日本に在留できた、在留できたから殺人ができた。

 もうちょっと手を加えて動機をつけましょう。給与が安かったとすれば完璧ですね!
 給与が安くて生活に困ったので強盗殺人した!よって安い給与で外国人を雇用した者は殺人の幇助罪とする!因果関係は明白であるとされるのです。怖いですねえ! 

 もちろん、雇用と殺人に因果関係はない。と主張しますよね。しかし、今は、法の下での統治がされていないので、殺人の直接的幇助でなく、雇用に因縁をつけるのです。ヤクザと同じですよ。

同じ汎用罪である、共謀罪について

 「共謀罪」が、国連越境組織犯罪防止条約を理由に制定されようとしており、法案は、2003年の第156回通常国会で最初に審議されました。
 その後二度の廃案を経て、2005年の第163回特別国会に再度上程され、継続審議の扱いとなり、第165回臨時国会においても、幾度とない審議入り即日強行採決の危機を乗り越えて継続審議となり、第170回臨時国会においても継続審議となりました。
 そして、2009年7月21日の衆議院解散で第171回通常国会閉幕により審議未了廃案となりました。今後も予断を許さない状況が続くことが予想されます。日弁連は、共謀罪の立法に強く反対し、引き続き運動を展開していきます。

共謀罪の基本問題

 政府は、共謀罪新設の提案は、専ら、国連越境組織犯罪防止条約を批准するためと説明し、この立法をしないと条約の批准は不可能で、国際的にも批判を浴びるとしてきました。

 法務省は、条約審議の場で、共謀罪の制定が我が国の国内法の原則と両立しないことを明言していました。

 刑法では、法益侵害に対する危険性がある行為を処罰するのが原則で、未遂や予備の処罰でさえ例外とされています。ところが、予備よりもはるかに以前の段階の行為を共謀罪として処罰しようとしています。

 どのような修正を加えても、刑法犯を含めて600を超える犯罪について共謀罪を新設することは、刑事法体系を変えてしまいます。

 現在の共謀共同正犯においては、「黙示の共謀」が認められています。共謀罪ができれば、「黙示の共謀」で共謀罪成立とされてしまい、処罰範囲が著しく拡大するおそれがあります。

 共謀罪を実効的に取り締まるためには、刑事免責、おとり捜査(潜入捜査)、通信傍受法の改正による対象犯罪等の拡大や手続の緩和が必然となります。

 この間の国会における審議とマスコミの報道などを通じて、共謀罪新設の是非が多くの国民の関心と議論の対象となり、共謀罪の新設を提案する法案を取り巻く環境は、根本的に変わっています。
以上 日弁連 HPより

 幇助罪ですら、国会の立法趣旨とは大きくかけ離れて、裁判官、検察官をはじめ司法関係者は現に解釈をしています。こうした、現状を踏まえると、共謀罪については、幇助罪の立法趣旨どおり、法が正しく適用され、日本が、国会で作られた法律の下で、つまり「法の下での統治」が出来るようになるまで、議論をやめる、つまり創設をしないことです。



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