死ぬまでに、一度でもいいから良い政治家に会いたい

いつもの弁当値引販売が

夜、60歳代の男が留置室に入ってきます。
この男、納得が行かないと言ってブツブツ言うのです。
いつものスーパーで、値引きの弁当が買ったのですが、
料金不足で逮捕されたのです。


この男は、独身なので、夕方7時ごろになると、
ほとんどいつも、近くのスーパーに、
夕食の弁当を買いに行きます。
普段は700円くらいの弁当が500円になるからです。


この日も、このスーパーに弁当を買いに行きます。
店はいつもと変わりません。
いつもの弁当コーナーで、いつもの幕の内の弁当を取り上げて、レジに行きます。


そしてレジで弁当を見せて、レジから離れて、
歩きながら弁当をレジ袋に入れて、ドアに向かいます。


そしてドアを出て、アパートへと向かいます。
その日は、店を出て10メートルくらい歩くと、誰かが呼んでいます。

振り返るとガードマンのようです。
立ち止まって、ガードマンが来るのを待ちます。

ガードマンが来ると、
「お客さん店まで戻ってください」と言うのです。
「何でだ」と言うと、
「いえ、とにかく戻ってください」と言うのです。

それで店に戻ると事務所のような部屋に連れて行かれます。

そこで、
「お客さん、弁当の金を払っていませんね」
というので、
「バカ言うんじゃネエ」「払ったじゃないか」と言うと、
「それじゃ、レシートを見せてください」と言うので。
「レシートは無えヨ」「いつも受け取らないからな」というと、

「そうですか」
「お客さんは500円しか払ってませんね」と言うので
「そうだ500円しか払ってネエ」と言うと、
「お客さんのお買いになった弁当は700円です」と言う。

「バカいえ、いつもこの時間は500円になっているじゃないか」と言うと、
「今日はまだ値引きをしていません」と言う。


「そじゃ、この弁当はいらねえよ」と言って弁当を机の上に放り投げて、
「おい、銭を返せ」というと、
「なんということを言うんですか・・・・・」
ぎゃぎゃわめくので、
「おい、どうすりゃいいんだ」と言うと、
「警察を呼びます」というので
「おい、いいじゃないか、警察を呼べ」というと
しばらくして警察がきました。


それで、
店のガードマンも説明したが、この男も説明したと言う。
そうすると、警察官が、
「詐欺ですね」と言うので、
「フザケルナ」と言うと、
警察官は、この男を逮捕して警察署に連行されたのです。


それで、調書を取られたので、
詳しく何度も話をしたと言うのです。
それで、「帰してくれ」
と言うと、
「おなたはね、お金を払わずに弁当を持って店を出たでしょう。」
「それは寝犯罪ですよ」
と言うので、
「違ういつもはね・・・・」
と言っても・・・・
「何度言ってもダメなんだよ」


その、写真撮影や指紋を取られて身体検査などをされて、この部屋に来たと言うのです。


「酷いですねえ」と言うと。
「全くだよ、どうなっているのかねエ」と言う。
「まさか、こんな事で逮捕されるとは思わなかったよ」


「俺はどうなるのかな」と言うので
「とりあえず、明日は何もなくて、あさって、検察に連れて行かれるよ」
と言うと、
「俺は、しばらく家に帰してもらえないの?」
そうですよ。


「抵抗すると、まあ20日は、ここで生活ですよ・・・・」
と言うと、男は、
「エエー。。。。」
泣き出しそうな顔になる。



3日目に検察に行きます。
この男は検察官にも警察で話をしたように話すのですが、
「200円でも300円でも払わずに店を出たのは同じですよ」
と言うのです。
「そうですねえ」
「金額も少ないから・・・・」
「店に弁償して、謝る気はありますか」と言うので、
男はしばらく考え込んだ。
金は払ってもいいが、謝るのが気にいらない。
すると、検察官が、
「どうなんです」と語彙を強くして言うので、
怖くなって、
「はいわかりました」
というと
「分かりましたでは、わかりわかりません」
「どうなんですか」と強く言うので、
男は、
「お店にお金を払って、謝って許してもらいたいです」
と言うと、
「最初からそういえば良いのです」
「今日はいいですから」
「また来てもらいます」
と言って留置所に帰されたのです。


2、3日して、また検察に行くと、
検察官が、
「店の方が、お金を払って、謝れば許すと言っています」
「罰金刑にしますから、いいですね」
というので
「はい、ありがとうございました」
と言って留置所に帰って来ました。


留置所に返ってくると、この男は、
「罰金刑を食らったよ」
「いつまでも、ここで遊んでいるわけにもいかんしな」
「糞・・・・」
「検事めが・・・・・」
しばらく・・・寝るまでブツブツ言っています。
翌朝は、食事がすむと
「お世話になりました」
と言って、力なく部屋を出て行きました。


彼は、例のスーパーには買い物に行くことはありません。
彼は恨みに思っているからです。
スーパーは客を一人失いました。
多分、この一人だけではないと思うます。
店はまもなく潰れるでしょう。
潰れて欲しいですね。


この国は、店も警察も、狂っています。
警察官も、検察官もイカレテいます。
アンポンタンです。


年は取りたくないものです。

昔は弁当を定価で買える稼ぎがあったからです。
彼は、今は年金生活なのです。
この国では、長生きは犯罪のようですね。
この問題を解決するのは国会議員だと思いますが、
国会議員は高給取りですから年金生活者の惨めさはわかりませんね。


「死ぬまでに、一度でもいいから良い政治家に会いたい」
彼が最後に残した言葉です。


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